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痛感

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応用コースを受講して4

子ども教室と思えないほどスッキリと整理されているのには驚きました

幼児教室は、長年音楽教育に携わってきた身として、いつかは実現したいとおもってきたことでした。

かつて私は幼少期、大阪市阿倍野区に住まい、相愛学園の「子どものための音楽教室」に通っていました。小学5年生になった時、ツェルニー50番やソナタアルバムも終わり、ベートーベンのピアノアルバムに取り掛かっていましたが、音楽教室もピアノレッスンそのものも完全にやめてしまいました。

高校2年生の夏に、音大に進学を決め、レッスンを再開しましたが、無事、大阪音楽大学ピアノ科に進むことができました。その時実感しましたのは、小学5年生までに得た音楽に対する能力は、幾ばくかとりやめた期間があっても、その力を維持するということでした。特にそれは聴音で痛感しました。

この私自身の経験を通し、幼児音楽は、小さい時にするのが効果的と体得致しました。加えて、幼児音楽に関し、昨今の幼児教育の教室でよく見受けられる保育中心に傾斜されたものでなく、音大進学が延長上にあるようなきちんとしたレベルのものを教示したいと強く思いました。

約5年前、川崎先生の音符ビッツに出会い、先生はただ音感教育を提示するだけでなく、乳幼児の心の育ち方や子育てのヒント・指針のようなことが(鈴木先生もそうでしたが)、大いに含まれている事が、現実的でまた非常に有用と、当初は驚愕する思いでした。

そこで、音符ビッツの素晴らしさをそのまま私も伝授したいと思い、できる限り音符ビッツの講義を受けようと実践しているのが、現況であります。

ことろで、川崎先生のご自宅の教室を見学させて頂いて、まず感じました事は、きめ細かな指導をされていらっしゃるのに、教室がスッキリされていることでした。

一般的に子ども相手の教室といえば、楽器や遊具などで雑多な感じを思い浮かべるのですが、先生の教室は、それらがどこに整理されているのだろうかと思うほど、整然とされていました。

加えて学んでいる生徒さん達も、緊張感を持ってレッスンに励んでいる姿に心を打たれました。先生は決して怒鳴ったりせず、いつも優しく指導なさっていながら、生徒さん達は、きちんと納得されていらっしゃいました。私の場合は、気づけば「早く」「何回も言わせないで」と言ってしまいますので、反省すること然りでありました。

おそらく川崎先生は、生徒さん達の能力に合わせた指導するための引き出しを沢山もっていらっしゃり、加えて日々進化されていらっしゃるので、生徒さん達は飽きず、集中力も備わっていくのではないかと思います。

そのような先生の素晴しいレッスンを拝見し、先生のその多様な方法・やり方は、どのように湧きあがってくるのかが、現在最も関心のあることろであります。「愛あれば成す事多し」と諺もありますように、まだ私は先生に比べて自身の生徒達への愛情が少ないのかと振り返ったりも致します。

先日、0歳のレッスンを受けさせて頂きました。実際、私がレッスンするとなると、成すべきこと・大切なことを実感しつつも、川崎先生のように、なめらかに話をしながら指導するこは本当に難しいです。

私の孫も、来月は1歳になりますが、毎日CDを一緒に聴くぐらいで、音符ビッツの素晴らしさを周りの者にどこまで理解をしているかについて、不安な気持ちもあります。そこで、これまで以上に日々CDを聴いて、更に音符ビッツをめくり、まずはいっそう徹底的に取り組んでいこうと思っています。

川崎先生のように、生徒さんのお母様方から信頼される指導者を目指し、日々精進しようと思っております。できる限り、川崎先生の教室に行かせて頂きたいと考えております。

これからも何卒ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

神橋蓉子

歩ちゃんのこと

歩ちゃんのこと(1991年)

ピアノ研究グループ講師 川崎紫明

歩ちゃんがはじめて私の教室の”母と子の音楽サロン”に来られたのは二歳になったばかりの頃でした。じっとお母さんの手を握りしめて全身で雰囲気を吸収するように瞳をこらして座っていたのが、とても印象的でした。近所の方々と共に週一度、一時間の授業を母子ともにとても楽しく、にぎやかにすごされ、好奇心と喜びにあふれて通っておられました。

この”母と子の音楽サロン”は、ピアノのお稽古の苗床とも言うべきもので、リトミックやわらべうたなどを通じて音楽に親しむための授業ですが、人間の基礎作りにとっても、はかり知れない要素を含んでいます。一方、家庭ではスズキ・メソードのピアノのテープ、またその他名曲アルバムを子供に聴かせ、音楽にあふれた環境作りをしていただくように、お母様にご指導しているクラスです。

私は、音楽的センスを養う上で、非常に大切な時期であることを痛感しています。鈴木先生が常に言われますように、より早い時期に年齢に応じた環境作りをする事が、その子供の一生にとって大きな意味をもっていると思われます。歩ちゃんは、こうした理想的な環境の中で二歳の頃を過ごし、三歳になるお誕生日を待って、他のお友達と一緒にピアノのお稽古を始めました。

その頃には、どの曲もドレミ唱法ができていますから、ピアノに向かえば気軽に弾けるので、楽しくてどんどん一人で曲を覚えていきます。歩ちゃんは普段はおとなしいのですが、気性の激しい一面もあって、一度こじれると大声で泣き出し、誰が何と言ってなだめても、どうにもならない始末で、お母さんが「先生どうも申し訳ございません」とおっしゃって、連れてお帰りになる事が何度かありました。そんなときは私も心得たもので「次のチャンスを待ちましょう」と申し上げますと、懲りずに一度も休まずに通って来られました。そのお母さんの揺るぎない態度が、いつしか歩ちゃんの中に確固たるものを築いていったのでしょう。一年もすれば、鋭い集中力が養われ、目覚まし進歩が見られるようになりました。

普通、幼児が喜ぶような美しい可愛い絵入りの楽譜には、あまり興味を示さず、耳から聞き覚えた曲を早く弾けるようになりたいという一心で、頑張り通すという具合です。楽しみながら、弾きたいという意欲をもちつづける事ができるのは、スズキ・メソードの素晴しい教育法だと思います。難しい曲でもレコードで聴いた曲を、自分で弾いてみたくて仕方ないのです。

「今日はここまでにしておきましょう」とレッスンを打ち切りますと、けげんな顔をします。歩ちゃんにとってはピアノのお稽古は、おもちゃで遊ぶと同じように魅力があるのでしょう。家でのお稽古の時でも、うまく弾けなかったら泣きながらでもやり通すという、たくましさと意欲が育っていきました。私の教室では、ピアノの個人レッスン以外にミニ・コンサートをしばしば開きますが、先輩やお友達の演奏を通して意欲づくりになっている事も、大きいと思います。これまでにバッハの”メヌエット””ジーグ”ベートーヴェンの”エリーゼのために”ダカンの”かっこう”モーツァルトの”ソナタ”ほかの数々の曲も大変よく弾けました。

本人、お母さま、先生が一つになって目的に励む瞬間は、普段では現れ出ない感性が引き出され、能力が一段と高められるのだと思います。

これからも歩ちゃんの周りの多くのお友達と一緒に、音楽と共にすくすくと育って下さる事を願ってやみません。

スズキメソード ~才能教育季刊誌より~

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